量質転化の法則

最近、興味深い話を聞いたので紹介しようと思う。

とあるスーパーマーケット企業の社長が亡くなったので急遽、息子が社長になった。
しかし、業績が悪化したのともともと病気があったが悪化して2年後に続いて亡くなってしまった。
そこで急遽、専業主婦だった息子の嫁が社長になった。

この女社長は、現場を回り徹底的にムダを排し、上場を廃止し、さらに新しい事業を考案し頑張った。
しかしながら、当然ながら誰も社長の言うことを聞かない。上場を廃止の時はぼろくそに言われたそうである。

普通なら、ここでギブアップするが、彼女は違った。
そこで彼女は自分の机の周りの人から順番に仲間にして、現場を回って目を付けた従業員を秘書に抜擢し、自分のやり方に共鳴する人を集めていき、全体の20%を理解者に出来たときに、残りの80%の社員が突如「質」が変換し、事業は奇跡の急回復を遂げたという話である。

量質転化の法則とは、ドイツの哲学者であるヘーゲルが説いた弁証法の基本三原則の1つで、量から質への転化、またはその逆への転化の法則である。

例えば、水の温度は100度までは同じであるが、温度が100度(限度)に達すると、一気に質が変わって水蒸気になる。また、0度(限度)に達すると氷になる。

水の場合、温度が100℃に達したときにはじめて水蒸気化する質的変化が訪れ、このポイントを「限度」と呼ぶ。

つまり、「水蒸気」という「質」を得たいなら、水の温度という「量」を100℃まで引き上げる必要があり、「量」が限度に達しないと「質」の劇的な変化が無いということである。

今回の事例は、「仲間が全体の20%に達すると、仲間で無かった全体の80%の従業員も仲間に変化した」ということだと思われる。

これは、またパレートの法則と思われる。
パレートの法則とは「80:20の法則」「2:8の法則」と呼ばれる法則で、
「物事を構成する要素が全体に占める割合は複数要素のうち20%で全量の80%の割合が占められている」という理論であるが
単に全体の80%の利益は全体の20%の商品が出しているとか、社会全体の上位2割が世の中の富の8割を保有しているという意味だけでなく、
人心把握においては、全体の20%という「量」を確保できれば、全体の「質」が限りなく20%と統合されるという意味もあると思われる。

もしも新規事業や提案、あるいは組織の長として「仲間を作りたい」とかアイドルになって人気者になりたいのならば、
まず、自分の身近の人を仲間にすることから始めよう。それが限度の達すると、多くの者からも支持されるのだ。

極めて重要なことは、限度に達するまで何の変化も起きていないように見えるということであり、限度に達するまで仲間作りをやめないことだ。
そして考えているよりも「限度」は低いのである。なにせ100人の組織ならば、20人の同志を作れば自動的に100人まとめられるのである。


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この記事へのコメント

なつ
2023年10月18日 12:31
面白いですね。2割と思うとハードル下がります。いつも勇気をもらっています。

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