感情をコントロールする方法

今回は感情をコントロールする方法という講演を聞いたので、その内容を書こうと思う。

感情というのは、厄介である。自分の力で制御できない。常に理性は感情に負ける。
しかし、感情には爆発的なエネルギーがある。感情をコントロールできれば、多くのことが達成できるであろう。

そんな扱いにくい感情を動物の「象」に喩えたのは、心理学者ジョナサン・ハイトであるが、象というのは、「自分や他人が押しても引いても動かせない」「それで、無理やりすると怒る」「爆発すると手に負えない」という意味で非常に秀れた比喩だと思われる。

それで自分や相手の感情をコントロールする方法を多くの学者が研究しました。その研究における最新の結論では、米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞をもらった「ナッジ理論」が有名である。

「ナッジ理論」では、もしも、貴方が他人を説得・もしくは同調してもらうには、まず感情を動かす必要があると考える。理性を動かしても感情や欲望によってひっくり返ってしまうであろう。後で逆転しない説得するには感情を動かすことである。

そして、感情という名の「象」を動かすには、3つの条件があるらしい。

① まず、説得する相手が疲れていないときを選ぶ。

② 説得する話の最初と最後は相手をポジティブにさせること。(最初と最後に相手がにっこり微笑む話をする。)

③ そっと、進めたい方向に向かって象のお尻を押す。相手の選択の自由を無くさない。無理やり叩いたり、叱咤したり、力でひっぱたりしない。

この理論は「ナッジ理論」と呼ばれ、この理論を提唱した米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授は2017年にノーベル経済学賞を受賞した訳であるが、この理論をベースにして学生の学習や自己啓発、仕事での交渉術にも広く応用されている。

利害や恐怖によって人を動かす方法ではなく、「相手の行動の開始動機付けを「仲間がそっと後押しすること」で感情を動かし行動を促す」という方法である。

ちなみに ナッジとは(nudge)とは「肘(ひじ)で軽く突く」という意味で、気になる女性を、なかなかデートに誘いだせない友人に対し「今、彼女は暇そうだ。チャンスだ 行け行け!」と仲間が無言で肘で付いて行動を促す感じである。
つまり「仲間が行動を後押しする」という理論が「ナッジ理論」である。大事なのは「仲間」が存在すること。そして自分以外の者(仲間)に押されることだ。

他にも感情を動物に見立てるメリットがあり、相手の感情を象に見立てることによって、相手の行動を変えるだけでなく、自分の感情や相手の感情を客観的に認識・判断できることである。

心理学者の竹林 正樹先生によると、感情を扱いにくい「象」と認識することによって、「あの人の性格が意地悪なのではなくて「心の中の象」が暴れているのだ。」と考えることによって腹が立ちにくくなるらしい。

感情を意志や理性・知性では制御できない。心の中の「象」とラベリングすることによって、腹が立ちにくくなるということである。

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この記事へのコメント

未都
2023年02月22日 16:17
説得したい、これから仕事の話がある相手が
少し難儀だった場合、すぐなにか食べさせると
聞いたことがあります。
編集者の話です。
まず、作家さんが不機嫌そうなら
すぐおいしい蕎麦屋を探す。
天そばで、炭水化物、野菜も魚介も塩分も撮ると
落ち着くと。
人間なんてそんなもの。
相手の女性が大のチーズ好きなら、
ラクレットに誘えばほぼ来てもらえるかも。

エイジ
2023年02月23日 23:05

食べ物もポジティブにさせる力があると思います。
特に甘味というのは癒しの力が凄いと思います。

説教も励ましも無く、甘味というのはただ包み込んで抱きしめてくれるんですよ。

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