トンレン瞑想

チベットにトンレン ( gtong len)という瞑想法があり、実践法としては、他者の苦しみを自分が受け取り、 自分の幸福と功徳を他者に与えるとイメージする瞑想である。

単に「我に周りの人の苦しみを与えて下さい。そして人の苦しみが減りますように」と瞑想で祈るというよりも
毎日の娑婆生活の中で発生した黒い感情が湧き出る出来事の度に行うのが良いと思われるので紹介したい。

例えば、悪いことがあったとしましょう。泥棒に遭遇したとかイジメにあったとか、パワハラにあったとかモラハラされたとしましょう。
その時に「あーイジメで凹む」「もうやめて助けて」では無くて、
「イジメは辛い」「私以外にイジメにあった人のイジメの因縁も私に下さい。」「そして私が引き受けた代わりに私のようにイジメに泣く人が減りますように。」
と逆に自分の苦しみと同じように苦しむ他人に惻隠の情を感じ、他人の苦しみを無くしてあげたいと除去を祈るのである。
いわゆる「イジメの苦しみは私だけで充分だ!」という感じである。

この方法は、「しかし、まじで他人の不幸が来たらやばい」とは思うけれども、確実に言えることは、この「トンレン瞑想」によって、悪い感情は劇的に減るということである。

なぜなら、通常は「ムカついた」→「悲しい・怖い・執着」に変化するが、自分が「ムカついた」→「他人がムカついていることを私が代わりに引き受けて、他人のムカつきを無くす」となるので、あたかも他人の為に自分がムカついているように、エゴの怒りが他者の慈悲に変換されてしまう摩訶不思議な効果がある。従って、習慣化するとエゴの怒り等の悪い感情がことごとく消えるのは確実である。

確かに、実践するには、勇気が必要な瞑想ではあるが、この方法は、利他心を訓練するためのもっとも優れた手段として、チベットの密教では重要視されており、かのダライ・ラマ14世も毎日行っているそうである。

ダライ・ラマによれば、「この瞑想は、現実に他者を助ける効果があるかというよりも、私の心に安らぎを与えてくれる。
私はより力強く実践的になることができ、その恩恵は計り知れない」と述べている。

因みに、菩薩が行うべき行動規範で「六波羅蜜」というのがあるが、このトンレン瞑想はこの瞑想だけで「六波羅蜜」の全てを網羅できるそうである。

twitterはこちら。
エイジの部屋
mixiもやってます。
Eiji
Eijiで検索してください。現住所は岐阜です。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

プロフィール

QRコード