名人は危うき所に遊ぶべし

プロの定義は、調子が悪い時でも偏差値が60を出せる者である。
つまりホンモノの美人とか美男の定義というのも、お洒落や化粧をしていない時でも凡人が化粧をした状態よりも美人で美男、悪くても同等以上でなければならない。

実力を測定する場合或いは是か非の判断を決定する場合に、調子が良いときを基準にするのでは無く、調子が悪い時を基準にすべきである。

この原則は結婚相手を選ぶときでも同様である。調子が良い時の相手を愛せるか?では無く、この人が絶不調の時でも愛せるか?というのが本当の基準である。

適性を考える場合にも同様である。
調子が悪い時でも「そこそこの結果が出せる」ならば適性があるというか得意分野と判断しても良いであろう。
逆に運が良いと偏差値60でも、調子が悪い時に偏差値20位の結果しか出せないのならば、センスが無いから見切った方が良いと私は思う。

さて、幸運にも、調子が悪い時でも「そこそこの結果が出せる」事が判ったのならば、さらに実力や能力を磨くために、困難な状態で「遊ぶ」ことである。そうするとプロの域に到達できる。得意な分野で困難を楽しむようになればプロである。

芭蕉が「名人は危うき所に遊ぶ」と言っているが、これは名人が更に実力に磨きをかけるために、或いは、実力を鈍化させないために意識的に困難や不調な状態でアドレナリンを燃やすということである。
それは、あたかもダンスの名人が、断崖絶壁の岩の上で、アクロバティックなダンスを踊っているようなものであるし、
或いは大谷翔平が凡人では決して真似できない二刀流にこだわる理由であり、また、井上尚弥が常に相打ち紙一重のカウンターで相手をギリギリでノックアウトするとか、藤井聡太が敢えて混沌の中に落とすような将棋を指すことの理由であり、真の名人とは、実のところ危うき所で常に遊ぶ故に誰も追いつけない名人になるのである。


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