あり得ない出世した男の母親の話

もう数年前の話です。とある地方銀行の頭取で、商工会議者の会頭も兼任している人がいまして、ものすごい出世してる人で、どのくらい実力者かと言いますと、母親の葬儀に参列者が多すぎて葬儀を午前と午後の2回行い、駐車場が入れないので、新年の参拝者がベスト5に入る程の有名な寺院が、葬儀の駐車場として無料で駐車場を貸してくれてバスで参列者を運搬するほど実力者なのです。その母親の葬儀がありました。

その実力者の母親というのが、実は私の祖父の妹(いわゆる大叔母)で、実家に来て、息子の話をしていたそうで、
大叔母の話では、「息子は高卒で銀行に入行し、周りは慶応やら有名大学の人ばかりでかなり学歴がないのでイジメられる」と嘆いていたらしいのです。実際に、かなり嫌がらせや陰謀に嵌められ苦労したらしいです。
ところが、競争相手がどんどん脱落しまして最後は頭取になるし、地域の大実力者に成りあがった訳であります。

ちなみに、嫁ぎ先がもともと旧家で実力者で地盤があったのではないのです。夫は関東から引っ越してきて借家住まいで、夫の仕事がうまくいかず当時非常に貧乏だったそうである。この大叔母は、なんとか子供が立派に育って欲しいという一念のみで、毎朝40年近く、早朝に近所の寺院の掃除をしたのである。

それはそれは、近所や寺院でも有名な掃除女だったので、寺院のエライ人が「奉賛会の役員」に推薦し、寺院のお手伝いと掃除をせっせと続けたのです。因みに、無料で駐車場を貸してくれた参拝者がベスト5の寺院というのはその掃除していた寺院です。

その実力者の息子は、奇跡的ともいえるあり得ない出世について「僕は母の徳のお蔭で出世できた」とか「寺院のお蔭」とか「恩返し」とか話す偉ぶらない人ですが、ほんとうにそのとおりだと思うのです。彼の実力など微々たるものです。

私が以前に書いた「下座の行」の実話であると思うのですが、下座の行とは、動機が関係なく、行っただけで「徳になる行動」で、具体的には、
① 汚れたところを綺麗に掃除する。
② 重要であるが人の嫌がる役割(得がない。汚い。面倒くさい等)を自分が行う。
であります。

陰徳は人知れず行うと言いますが、下座の行は人知れず行わずとも、実践するだけで陰徳になる行為であり、さらに、なにかしらの「願い」を以て徹底実践すれば「爆益な利益」を得られるという実例と思うので覚書しました。

恐るべし下座の行

参照:徳になる行動について

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