オプジーボと間接アプローチ戦略論
諸葛孔明は、
「どうすれば勝てるのか戦法がすぐに判るので勝つのに飽きた。」
と語ったそうであるが、私の研究では、確実に勝てる戦略というのは、
「間接アプローチ」と「双頭戦術」しかないと思う。
そんな中、オプジーボを知り、
まさに癌に勝つ作用機序が間接アプローチであることを知りました。
当初、私は、がん治療薬「オプジーボ」の効果について疑問がありましたが、
実際に使用しているドクターから「劇的に効くからノーベル賞級の発明だ」
とも聞いていました。
オプジーボは日本では最近急に話題になったのですが、
実際には、2012年にアメリカ・ヨーロッパで大騒ぎになった治療薬です。
2006年からアメリカで臨床試験がはじまり、
2012年6月に「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で
報告された症例には、
治療を止めた後2年以上がんが大きくなっていないものが多数含まれていたのです。
これに世界中の医療従事者たちが仰天したのです。
それで「ウォール・ストリート・ジャーナル」(2012年6月2日付)は
一面で「人類とがんの長い戦いに終止符を打つ期待の最新研究が始まった」と報じました。
この報道にヨーロッパのマスコミも大騒ぎし熱狂しました。
全然話題にしなかったのは、日本のマスコミだけでした。
そして、開発者であられる本庶佑京都大特別教授が実際に
ノーベル医学・生理学賞決定になりましたので、
いわゆる「スタップ細胞」の二の舞にならず、
全部の癌患者に効く訳では無いそうですが、
ほんとうに癌の治療薬が日本人の研究者によって出来たのだと思いました。
それでオプジーボの作用機序を説明しましょう。
そもそも癌治療には、外科手術や抗がん剤治療、放射線治療などが主流で、
いわゆる「癌細胞を直接攻撃する治療法」だったのです。
でも周知の如く、癌細胞には勝てませんでした。
しかしながら、癌細胞は非常に弱い細胞なので増殖するのは難しいのです。
それがなぜ異常に増殖できるのかを解明したところ、
「異物と認識されるサインを消すこと」と「免疫を弱らせる物質を出す」ことにより
異常に増殖することが解りました。
そこで免疫治療法が考えられ、自己免疫を高める治療が行われました。
いわゆる自己の免疫機能の攻撃力を高める方法が中心でしたが、
イマイチ画期的な効果が無かったのですね。
そこで、がん細胞による免疫機能ブレーキを解除することで、
免疫細胞の働きを再び活発にしてがん細胞を攻撃できるようにする
新たな治療法が考えられました。それがオプジーボです。
それが非常に良く効くらしく、ノーベル賞になった訳ですね。
今後、医療費の増大等の問題ありますが、
すばらしい新薬開発がなされたと思います。
今回書きたいのは、オプジーボの話では無く、
私は、オプジーボの作用機序を知った時、
リデル・ハートの戦略論である「間接アプローチ」を思い出し、
その有効性を再確認したことであります。
リデル・ハートは古今東西の戦争を研究した結果
「間接アプローチが最高の戦略である」と結論したのですが、
その内容は、正面衝突を避け、間接的に相手を無力化・減衰させる戦略です。
つまり、癌細胞を直接攻撃するよりも、
癌細胞が生存できる機能を破壊する方が効果的であるということです。
足し算よりも引き算が覇者の王道なのです。
これは、まさにオプジーボの作用機序でもある。
そこで今回は、難攻不落の癌治療薬でも
間接アプローチで勝利したのですから、
私達の生活の中でも応用・利用するべきだと思うので
「間接アプローチの方法論」を再度紹介しようと思う。
□ 基本戦略:
目的を達成するには、
正面からぶつかることはさけて、まわりからアプローチすること。
□ こちらから積極的に行うこと:
1.最小予期線を選択せよ
相手が予測していないことは何か?
相手から見て予測していないことは効果があります。
相手が予想していないことを行うこと。
これは格闘技の基本ですね。意外性が無いとクリーンにヒットしない。
2.最小抵抗線を利用せよ
相手の抵抗がもっとも弱いところはどこか?
相手のどこにアプローチするのが効果的なのかというと
相手の「弱い」ところにアプローチするべき。
また相手が弱体化することを促進させるべき。
極真空手の足蹴りはまさにこれですね。
経済封鎖や兵糧攻めもまさしく最初抵抗線利用である。
3.代替目標のある作戦線を選択せよ
切り替えられるもう一つのターゲットを考えること。
作戦が一つだと、相手もそれに絞りやすくなります。
4.状況に対する柔軟性のある、計画および配置を心がけよ
今回の作戦だけで終わるわけではありません。
次の仕事に移りやすいような柔軟な準備をしておくこと。
□ こちらから仕掛けてはいけないこと:
1. 敵が防御態勢を整えている間は攻撃するな
相手の構えが万全な箇所を攻めてはいけない。
相手の警戒が万全なところにぶつかって行ってもうまくいきません。
相手が油断するか混乱するまではアプローチしない。
2.一度失敗した作戦線で再攻撃をするな
再度リベンジしたい気持ちがあっても、
以前に失敗している方法は選択しないほうが賢明である。
もうひとつの双頭戦略については過去記事を参照してください。
参照:戦略は武器商人に学べ
twitterはこちら。
エイジの部屋
mixiもやってます。
Eiji
Eijiで検索してください。現住所は岐阜です。
「どうすれば勝てるのか戦法がすぐに判るので勝つのに飽きた。」
と語ったそうであるが、私の研究では、確実に勝てる戦略というのは、
「間接アプローチ」と「双頭戦術」しかないと思う。
そんな中、オプジーボを知り、
まさに癌に勝つ作用機序が間接アプローチであることを知りました。
当初、私は、がん治療薬「オプジーボ」の効果について疑問がありましたが、
実際に使用しているドクターから「劇的に効くからノーベル賞級の発明だ」
とも聞いていました。
オプジーボは日本では最近急に話題になったのですが、
実際には、2012年にアメリカ・ヨーロッパで大騒ぎになった治療薬です。
2006年からアメリカで臨床試験がはじまり、
2012年6月に「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で
報告された症例には、
治療を止めた後2年以上がんが大きくなっていないものが多数含まれていたのです。
これに世界中の医療従事者たちが仰天したのです。
それで「ウォール・ストリート・ジャーナル」(2012年6月2日付)は
一面で「人類とがんの長い戦いに終止符を打つ期待の最新研究が始まった」と報じました。
この報道にヨーロッパのマスコミも大騒ぎし熱狂しました。
全然話題にしなかったのは、日本のマスコミだけでした。
そして、開発者であられる本庶佑京都大特別教授が実際に
ノーベル医学・生理学賞決定になりましたので、
いわゆる「スタップ細胞」の二の舞にならず、
全部の癌患者に効く訳では無いそうですが、
ほんとうに癌の治療薬が日本人の研究者によって出来たのだと思いました。
それでオプジーボの作用機序を説明しましょう。
そもそも癌治療には、外科手術や抗がん剤治療、放射線治療などが主流で、
いわゆる「癌細胞を直接攻撃する治療法」だったのです。
でも周知の如く、癌細胞には勝てませんでした。
しかしながら、癌細胞は非常に弱い細胞なので増殖するのは難しいのです。
それがなぜ異常に増殖できるのかを解明したところ、
「異物と認識されるサインを消すこと」と「免疫を弱らせる物質を出す」ことにより
異常に増殖することが解りました。
そこで免疫治療法が考えられ、自己免疫を高める治療が行われました。
いわゆる自己の免疫機能の攻撃力を高める方法が中心でしたが、
イマイチ画期的な効果が無かったのですね。
そこで、がん細胞による免疫機能ブレーキを解除することで、
免疫細胞の働きを再び活発にしてがん細胞を攻撃できるようにする
新たな治療法が考えられました。それがオプジーボです。
それが非常に良く効くらしく、ノーベル賞になった訳ですね。
今後、医療費の増大等の問題ありますが、
すばらしい新薬開発がなされたと思います。
今回書きたいのは、オプジーボの話では無く、
私は、オプジーボの作用機序を知った時、
リデル・ハートの戦略論である「間接アプローチ」を思い出し、
その有効性を再確認したことであります。
リデル・ハートは古今東西の戦争を研究した結果
「間接アプローチが最高の戦略である」と結論したのですが、
その内容は、正面衝突を避け、間接的に相手を無力化・減衰させる戦略です。
つまり、癌細胞を直接攻撃するよりも、
癌細胞が生存できる機能を破壊する方が効果的であるということです。
足し算よりも引き算が覇者の王道なのです。
これは、まさにオプジーボの作用機序でもある。
そこで今回は、難攻不落の癌治療薬でも
間接アプローチで勝利したのですから、
私達の生活の中でも応用・利用するべきだと思うので
「間接アプローチの方法論」を再度紹介しようと思う。
□ 基本戦略:
目的を達成するには、
正面からぶつかることはさけて、まわりからアプローチすること。
□ こちらから積極的に行うこと:
1.最小予期線を選択せよ
相手が予測していないことは何か?
相手から見て予測していないことは効果があります。
相手が予想していないことを行うこと。
これは格闘技の基本ですね。意外性が無いとクリーンにヒットしない。
2.最小抵抗線を利用せよ
相手の抵抗がもっとも弱いところはどこか?
相手のどこにアプローチするのが効果的なのかというと
相手の「弱い」ところにアプローチするべき。
また相手が弱体化することを促進させるべき。
極真空手の足蹴りはまさにこれですね。
経済封鎖や兵糧攻めもまさしく最初抵抗線利用である。
3.代替目標のある作戦線を選択せよ
切り替えられるもう一つのターゲットを考えること。
作戦が一つだと、相手もそれに絞りやすくなります。
4.状況に対する柔軟性のある、計画および配置を心がけよ
今回の作戦だけで終わるわけではありません。
次の仕事に移りやすいような柔軟な準備をしておくこと。
□ こちらから仕掛けてはいけないこと:
1. 敵が防御態勢を整えている間は攻撃するな
相手の構えが万全な箇所を攻めてはいけない。
相手の警戒が万全なところにぶつかって行ってもうまくいきません。
相手が油断するか混乱するまではアプローチしない。
2.一度失敗した作戦線で再攻撃をするな
再度リベンジしたい気持ちがあっても、
以前に失敗している方法は選択しないほうが賢明である。
もうひとつの双頭戦略については過去記事を参照してください。
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この記事へのコメント
今、オリーブオイルの魔除け方、実際にしてみました、
そうしたら胸から方にかけてスーッとなり重苦しいのがとれました、
これはスゴいかも❗️