やりたくない原因ではなく目的を考えること。

今日は地域の用事があって、集会所に行かないと行けないのですが、
風が強くて外に出たくないので、
自分のことをつくづく怠慢な人間だと思って、
自己嫌悪で集会所まで歩いていたのです。

ちょっと待てよ?
怠慢な人っていうのは本当に存在するのであろうか?
と考えたのです。

「もし、目的地が退屈な集会所では無くて
お金が儲かる場所とか美人の人妻が集まってる場所なら
私は怠慢な人間では無いはずだ。」

私は、方法を考える手段として、
行きたくない「原因」を探しても何も生み出さないということに気付いたのです。
そうではなく、なぜ行きたくないのかという「目的」に目を向ける必要があります。


なかなか部屋が片付けられない人が、
どうすれば部屋が掃除できるか考えるとしましょう。
あるいは、会社や学校に行きたくない悩みを解決する方法を考えるとしましょう。

掃除できない原因が「怠慢だから」とか「部屋が広いから」であったとしても、
なんの解決にもならないのです。
本当に解決したいのならば、「目的」を検討することである。
私たちは、いつも原因を探して解決しようとするが、それは正しくない。

なぜ掃除できないのか?→掃除する目的が無い
というのが本当の理由で、怠慢だとか部屋が広いは関係がないことがわかるでしょう。
仮に「部屋に初めて彼女が来る」としたら、どんなに怠慢な人でも掃除すると思われる。

この例に引き合いに出されるのが「好き嫌い」である。
どんなに「好き嫌いが激しい」者でも3日何も食べてなかったら、
「鰻じゃなきゃ嫌だ」とか「寿司しか食べたくない」とは言わない。
わがままとか怠慢という性格は、固定した原因では無く、
目的とか必要性によって変わるのである。

つまり、人間の感情や行動が「原因」から生み出されるのでは無く、
「目的」を達成するために生み出されるとしたら、
悩みに対して『原因』を究明することは何の解決にもならないのです。

なぜ悩んでいるのかというと『目的を達成できないから』である。
したがって、悩みを解決するには、目的を変えるしかない。


ところで、心理学者のアドラーは、
「すべての悩みの原因は人間関係の悩みである」と分析しました。

明日会社に行きたくない理由は、
上司に叱られるからとか、嫌なクレーム処理があるからだろうし、
会社を辞めたくなる理由も、
彼女と別れたとか上司と合わないとか、実は人間関係が原因である。
同じく、明日会社に行きたい理由も人間関係が理由である。
そのようにアドラーは考えた。

人間の幸せも不幸も人間関係によって決定されやすいのです。
それ故に不幸が発生したのです。
人間の不幸は、人間関係を重要視することから始まったのです。

うつ病になる人の大半は
実のところ、「目的」を考え、目的を変えることでうつ病を予防できるのである。
目的を変えることでバイタリティ(生命力)も変わるのです。

重要なことは、人間の「目的」のほとんどが人間関係の目的(自己承認欲求)
と知ることであり、そして、悩みの根本原因が人間関係と知ることです。
従って、この呪縛から解放されるには、
『人から嫌われること』や『人からバカにされること』を恐れない生き方、
『人の目を気にして気を遣うこと』という対人ストレス、
すなわち、『人から褒められること』や『好かれること』を目的としない生き方を
選択することである。

具体的にどうすればよいかというと、
会社とかコミュニティというような組織の中でタフに生きるためには、
組織で働く目的を、上司、同僚とか顧客という「組織関係の人間に認められる目的」では無く、
組織以外の人間(家族・恋人)との関係維持のためとか、
異次元の価値観、すなわち正義もしくは社会のためという大きな目的やら、
自分の美学とか自己実現とか金儲けというような
人間関係で無い目的にシフトする必要があります。

そして、人間関係以外の目的の人物のみで構成させる組織や社会こそ
健全で最高の組織であり、運の強い組織ということです。
人間関係重視の組織は健全では無く、衰退する組織になります。

野球とかサッカーのような団体競技を例にすれば、
選手が監督やチームメイトの顔色を覗って人間関係に重点を置いているようでは、
決して強いチームにはなれません。
強いチームは、人間関係など考慮せず、
選手同士が勝利のみを目指して切磋琢磨する組織でなければならないのです。

お笑い芸人でも、先輩に好かれることに重点を置いていてはダメである。
最近のお笑い芸人は、笑いでは無く、人間関係に重点を置きすぎるから
話がつまらない。身内受けの話ばかりであるし、
先輩も後輩をコントロールするために人間関係を重要視するので
実力重視のはずのお笑いが人間関係重視になってつまらなくなってしまった。


つまり、従順な羊の集団では無く、実力のあるライオンの集まった組織が理想です。
もちろん、監督の手腕がそこで発揮されるわけです。
従順な羊の組織のほうが管理しやすいでしょうが、強いチームにはなれません。
強いチームというのは、必ずライオンの集団です。
そして強い監督とは猛獣使いでなければならない。

人体における健全な細胞でも、
それぞれが独立した健康な細胞が切磋琢磨する組織であり、
絶対に、弱い細胞が他の細胞を頼っている組織ではありませんし
他の細胞を足を引っ張る組織でもありません。
実際には、頼り合う細胞は、すぐに死滅淘汰されてしまいますし、
他の足を引っ張るがん細胞は組織を死滅させます。

健全な細胞組織とは、他を頼ったり、食い物にする組織では無く、
細胞同士が、助け合う組織なのです。従って、個々が役割を果たす必要があるのです。
役割を果たせない細胞は死滅します。

そして、切ないのですが、
他を助ける細胞が、弱って他を助けられなくなった時が組織・人体の死なのです。

人間界においては、他に頼らないと生きられない人や他を食い物にする人の数が、
他を助ける人より多くなると、なしかしらの天災や災難が発生し、バランスを保つようになります。
従って、人間は、誰しも死ぬまで、「俺がやらねば」と考え、
自分の役割を果たそうとすることが、社会や人類を発展させる基本であり、
自然から見て『善』であるといえます。
強い者は強くあり、弱き者を助け、
弱い者は強くなろうとするのが『善』なのであり、
強い者が、未熟な者に道を譲るのは『悪』です。




twitterはこちら。
エイジの部屋


mixiもやってます。
Eiji
Eijiで検索してください。現住所は岐阜です。

この記事へのコメント

れれれ
2016年03月21日 09:48
たまらない記事をありがとうございます
『オマエがやるな、オレがやる』は
峯田和伸(銀杏BOYZ)の名言です
強気が正義、人の責任も引き受ける優しさ
やっぱ超人思想ですね!
『ロックは目的』は甲本ヒロトの名言です
静かで情熱的な文章に
助けれ学ばされグッと来ます。
ごまあざらし
2016年03月21日 18:27
更新ありがとうございます。

強さを目指すというのは本当大事ですね。
強さというのも、昔から言われている事ですが、他人との比較ではなく自分との闘いによって手に入れるべきものなんでしょう。

自分から目を逸らさず、改良を日々加えていくというのは面白いと、最近やっと考えられるようになってきました。(笑)
カコ
2016年03月22日 22:04
エイジさん、こんばんは~。

確かに、目的があれば部屋の掃除も必死でしますね。。。
だから、定期的に人を招くのが有効、というわけです。
自分に何かをさせるための目的を持つ、、、、って
重要であるとわかりました。
「必要無いからやらない」ということなんですね。

でも、「やったほうがいい」と思っていることってある。
自分の生きる目的に上手く集約させていくといいのですね。
未都
2016年03月24日 09:02
すばらしい記事をありがとうございます。
甲子園常連高校とか、吹奏楽の全国大会に毎年行ける高校とか、
まさに、それですよねー。メンバーは2年ごとに全部入れ替わってるんだから。
羊の集団でも、
もしかして、俺たちってライオンかも?って
錯覚させられる指導者が、名将監督なんですね。

目的を変えるってすごい発想だと思います。
意識的に目的を変えると、本当に何もかもが変わるかも。
2016年03月26日 00:47
そうです。超人思想です。>れれれさん

強くないと生きていけないし、優しくないと生きている資格がないですね>ごまあざらしさん

悩んだときに原因では無く、目的を考えることでしょうね>カコさん

人生の諸問題においても問題は原因では無く目的にあるという知恵は
非常に重要だと思います>未都さん
慎太郎
2016年04月16日 22:17
お世話様です。
すべての悩みは人間関係ですか。
目的を人間関係でないところにおけば目標ははっきりしそれが揺らぐこともないですね。
何故かわからないのですが、小さなころから金持ちは貧乏人を助けるのは当たり前だと考えていたのですが、本当は貧乏人が向上するように手助けをすると言う事ですね。
弱い物が居るから強い者がいるのであって、弱い物が居なければ強い者もいなくなる。
働きアリの原理と同じであって必ず+とーがなければ世の中は安定しないと。
2016年04月19日 21:52
すべての悩みは人間関係の悩みが元らしいです。>慎太郎さん

この記事へのトラックバック

プロフィール

QRコード