ヴィクトール・フランクルの楽観主義
私達の生活の範疇でも、さまざまな苦境で、負ける者や死ぬ者がいますし、
なんでアイツがみたいな「生き残る者」もいますよね。
そして、出来れば、自分もなんとか生き残りたいと誰しも思うでしょう。
「生き残る者」を研究すると、ただ単に運が良かっただけでなくて、
運を引き寄せる「共通点」があることが判ります、
例えば、「生き残り」の例として、ヴィクトール・フランクルが挙げられるでしょう。
ヴィクトール・フランクルといえば、アウシュビッツの体験を描いた「夜と霧」が有名であるが
実は、ロゴセラピーの創始者であり、ロゴセラピーは、フロイトやアドラーの理論と比較され、
心理療法のウィーン学派三大潮流のひとつとして挙げられることもある重要なセラピーである。
私は、「ロゴセラピーはアウシュビッツの体験から産まれた」と思っていたのですが、
実は、フランクルのロゴセラピーは収容所体験を基に考え出されたものではなく、
収容される時点ですでにその理論はほぼ完成されていたそうです。
つまり、収容所体験によって、彼の理論の正当性を検証することになったとも考えられます。
ロゴセラピーでは、「楽観主義」の重要性を説いていますが
私達が考えている「楽観主義」とは違うようであります。
「楽観主義」を考える上で、こんなエピソードがあります。
アウシュビッツ収容所で何月何日に米軍が救出に来るという噂が流れる。
皆いよいよ助かるかもしれないと心がざわめく。
ところがその日が来ても何も起こらなかった時、ガクッときてバタバタと人が死んでいった。
ところがフランクルはそんな期待はしていません。
なぜ彼はそんな期待はしないのかというと、
彼が、ほんとうの楽観主義者だからです。
彼が収容所の中で何かミスをした時、
それを見ていたナチスの将校が彼の頬を思い切り殴打した。
その拍子に眼鏡が吹っ飛んで地面に落ち、 レンズが割れてしまった。
その割れた眼鏡を拾い上げながら彼は思った。
「もしここを出られて収容所体験を本にできたら、
この割れた眼鏡を表紙にしよう。」
そしてこれは現実になり、
彼の初版本の表紙には、その割れた眼鏡の絵が使われている。
またアウシュビッツでチフスに罹った彼は高熱を発しました。
本人は医者だから自分の予後が分かる訳で、
「もし寝てしまったら、 私は明日の朝、死体になっているだろう」
と判ったそうです。そこで、自分の足をつねりながら、 眠らないようにしていたらしい。
さて、一方、頭の中では何を考えていたかというと、
「自分は米軍に救出されてウィーンへ帰る。
そして『一精神医学者の収容所体験』という本を書き上げ、
それが世界的なベストセラーになって カーネギーホールに呼ばれる。」
と考えていたのです。
今夜死ぬかもしれないという高熱にうなされながらそう考えていた。
これも現実になりました。
同じような話が、アメリカの軍人であるジム・ストックデール将軍の逸話です。
ストックデール将軍というのは、1965年から8年間、捕虜収容所で20回以上の拷問をうけ、
いつ釈放されるか全く見込みのない中を生き抜き、名誉勲章を受賞した人物です。
一緒に捕虜になった仲間が耐え切れずに次々と亡くなる中、
彼は記者の質問に、次のように語っています。
質問: 一緒に捕虜になった仲間が耐え切れずに次々と亡くなる中、
なぜ生き延びることが出来たのでしょうか?
ストックデール将軍:
「わたしは結末について確信を失うことはなかった。
ここから出られるだけでなく、最後にはかならず勝利を収めて、
この経験を人生の決定的な出来事に し、
あれほど貴重な体験はなかったと言えるようにすると」
質問:では、耐えられなかったのはどのような人なのでしょうか。
ストックデール将軍:
死ぬのはいつも楽観主義者だ。
そう、クリスマスまでには出られると孝える人たちだ。
クリスマスが近づき、終わる。そうすると、復活祭までには出られると考える。
そして復活祭が近づき、終わる。つぎは感謝祭、
そしてつぎはまたクリスマス。失望が重なって死んでいく。
この話は、ヴィクトール・フランクルと同じです。
必ず勝つと信じていたストックデールやヴィクトール・フランクルこそ楽観主義者ですが、
彼らは「クリスマスには出られるさ」という楽観主義者では無いということです。
さて、ロゴセラピーの技法は、「逆説志向」と「反省除去」というものがあって
逆説志向では、人が何かを恐れて不安を感じるという予期不安は、
実際にその予期している事態を実現させていると仮定する。
そして、こうして実現された事態はさらに予期不安を強化させ、
循環メカニズムが神経症を形成する。
したがって、逆説志向とは、
恐れているその事態を望み、自らをそれを実行しようと決断することである。
この逆説志向で、フランクルはユーモアが重要だとしている。
また、逆説志向は短期間で行えることや、効果は永続性を持っているということも主張している。
反省除去とは、
いろいろな現象に対し、過剰に志向したり反省したりすることが神経症の原因となる。
神経症になるとますます運命が悪循環に陥る。
したがって、反省除去とはこのような過剰な志向や反省を取り除き、
当の活動に専念することである。
無意識を活発にする為、即ちツキを得るには
怒りや貪り嫉妬、取り越し苦労厳禁である。
つまり、最初に書いた「生き残りの共通点」とは、
① 「逆説志向」と「反省除去」を行う「ユーモアを愛する者」ということ。
② 「最期にはかならず勝利を収めて、危難や苦難こそ、
あれほど自分にとって貴重な体験はなかったと言えるようにしてやる!」というガッツ系の楽観主義者にな ること。
です。
参照■:生き残りの条件。
twitterはこちら。
エイジの部屋
mixiもやってます。
Eiji
Eijiで検索してください。現住所は岐阜です。
、
なんでアイツがみたいな「生き残る者」もいますよね。
そして、出来れば、自分もなんとか生き残りたいと誰しも思うでしょう。
「生き残る者」を研究すると、ただ単に運が良かっただけでなくて、
運を引き寄せる「共通点」があることが判ります、
例えば、「生き残り」の例として、ヴィクトール・フランクルが挙げられるでしょう。
ヴィクトール・フランクルといえば、アウシュビッツの体験を描いた「夜と霧」が有名であるが
実は、ロゴセラピーの創始者であり、ロゴセラピーは、フロイトやアドラーの理論と比較され、
心理療法のウィーン学派三大潮流のひとつとして挙げられることもある重要なセラピーである。
私は、「ロゴセラピーはアウシュビッツの体験から産まれた」と思っていたのですが、
実は、フランクルのロゴセラピーは収容所体験を基に考え出されたものではなく、
収容される時点ですでにその理論はほぼ完成されていたそうです。
つまり、収容所体験によって、彼の理論の正当性を検証することになったとも考えられます。
ロゴセラピーでは、「楽観主義」の重要性を説いていますが
私達が考えている「楽観主義」とは違うようであります。
「楽観主義」を考える上で、こんなエピソードがあります。
アウシュビッツ収容所で何月何日に米軍が救出に来るという噂が流れる。
皆いよいよ助かるかもしれないと心がざわめく。
ところがその日が来ても何も起こらなかった時、ガクッときてバタバタと人が死んでいった。
ところがフランクルはそんな期待はしていません。
なぜ彼はそんな期待はしないのかというと、
彼が、ほんとうの楽観主義者だからです。
彼が収容所の中で何かミスをした時、
それを見ていたナチスの将校が彼の頬を思い切り殴打した。
その拍子に眼鏡が吹っ飛んで地面に落ち、 レンズが割れてしまった。
その割れた眼鏡を拾い上げながら彼は思った。
「もしここを出られて収容所体験を本にできたら、
この割れた眼鏡を表紙にしよう。」
そしてこれは現実になり、
彼の初版本の表紙には、その割れた眼鏡の絵が使われている。
またアウシュビッツでチフスに罹った彼は高熱を発しました。
本人は医者だから自分の予後が分かる訳で、
「もし寝てしまったら、 私は明日の朝、死体になっているだろう」
と判ったそうです。そこで、自分の足をつねりながら、 眠らないようにしていたらしい。
さて、一方、頭の中では何を考えていたかというと、
「自分は米軍に救出されてウィーンへ帰る。
そして『一精神医学者の収容所体験』という本を書き上げ、
それが世界的なベストセラーになって カーネギーホールに呼ばれる。」
と考えていたのです。
今夜死ぬかもしれないという高熱にうなされながらそう考えていた。
これも現実になりました。
同じような話が、アメリカの軍人であるジム・ストックデール将軍の逸話です。
ストックデール将軍というのは、1965年から8年間、捕虜収容所で20回以上の拷問をうけ、
いつ釈放されるか全く見込みのない中を生き抜き、名誉勲章を受賞した人物です。
一緒に捕虜になった仲間が耐え切れずに次々と亡くなる中、
彼は記者の質問に、次のように語っています。
質問: 一緒に捕虜になった仲間が耐え切れずに次々と亡くなる中、
なぜ生き延びることが出来たのでしょうか?
ストックデール将軍:
「わたしは結末について確信を失うことはなかった。
ここから出られるだけでなく、最後にはかならず勝利を収めて、
この経験を人生の決定的な出来事に し、
あれほど貴重な体験はなかったと言えるようにすると」
質問:では、耐えられなかったのはどのような人なのでしょうか。
ストックデール将軍:
死ぬのはいつも楽観主義者だ。
そう、クリスマスまでには出られると孝える人たちだ。
クリスマスが近づき、終わる。そうすると、復活祭までには出られると考える。
そして復活祭が近づき、終わる。つぎは感謝祭、
そしてつぎはまたクリスマス。失望が重なって死んでいく。
この話は、ヴィクトール・フランクルと同じです。
必ず勝つと信じていたストックデールやヴィクトール・フランクルこそ楽観主義者ですが、
彼らは「クリスマスには出られるさ」という楽観主義者では無いということです。
さて、ロゴセラピーの技法は、「逆説志向」と「反省除去」というものがあって
逆説志向では、人が何かを恐れて不安を感じるという予期不安は、
実際にその予期している事態を実現させていると仮定する。
そして、こうして実現された事態はさらに予期不安を強化させ、
循環メカニズムが神経症を形成する。
したがって、逆説志向とは、
恐れているその事態を望み、自らをそれを実行しようと決断することである。
この逆説志向で、フランクルはユーモアが重要だとしている。
また、逆説志向は短期間で行えることや、効果は永続性を持っているということも主張している。
反省除去とは、
いろいろな現象に対し、過剰に志向したり反省したりすることが神経症の原因となる。
神経症になるとますます運命が悪循環に陥る。
したがって、反省除去とはこのような過剰な志向や反省を取り除き、
当の活動に専念することである。
無意識を活発にする為、即ちツキを得るには
怒りや貪り嫉妬、取り越し苦労厳禁である。
つまり、最初に書いた「生き残りの共通点」とは、
① 「逆説志向」と「反省除去」を行う「ユーモアを愛する者」ということ。
② 「最期にはかならず勝利を収めて、危難や苦難こそ、
あれほど自分にとって貴重な体験はなかったと言えるようにしてやる!」というガッツ系の楽観主義者にな ること。
です。
参照■:生き残りの条件。
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エイジの部屋
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Eiji
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この記事へのコメント
お久し振りです(^ω^)☆
今、読み終わって思ったのですけど、エイジさんのブログって本当にマニアックで、もしかしたら危ないとこに突っ込んでるのかも?と思うのですが、
だけど、どんな内容であっても読み終わった後に、じわっと勇気みたいな、希望みたいな、そんなものが広がることが多いです。
マニアックだけど、愛のある人(*^^*)
ふとそんなことを思いました。
いみふなコメントですいません!(笑)
楽観主義をうまく理解できたかわからないのですが、僕が思うに周りがなんとかしてくれるという受け身的な形ではなく、周りの状況に左右されずに自分主体で動くことが大事な気がします。
アウシュビッツで生き残った人の特徴が、平和を愛する、美を愛する、確固とした夢があるというのは何だか嬉しいですね。
今の時代、悪人の方が良い思いをする場面も多く見られますが、やはり最後には善人が良い思いをしてほしいです。
楽しく笑っていたのが印象的です。
ユーモアばかり考えてきたころは私も実力以上を発揮していましたね。
自分に起こっていることに対しても、
距離感が持てるって重要なんでしょうね。
「翻弄されない」で、第三者のように冷静に対応できて、
その上ユーモアがあったら最高なんでしょう。
それでいて、感受性も保ち、、、。
エイジさんも、そういう方なんだろうな、って思う
「クリスマスまでには出られる」と思う人と、「いずれ出られる」と確信する人。微妙な差ですね。同じ楽観主義でも何かが違う。
その何かが、エイジさんの解説で、少し解った気がします。大切なことですね。
端から見てて、無闇にネガティブな人(クリスマスまでには出られると勝手に期待して、勝手に落ち込むような人)は、やはり悪い事象を引き込んでいるなぁと、最近よく気がつくようになりました。
そうしよう。いつ?わからない。
方法は?そんなの全然わからないよ。でもそうなるから!
ってな人いますね。。
毎回ながら、納得です。
毎日を大事に過ごそうと、小さなことでも反省点をメモして過ごしていました。また、些細なことでイライラしやすくなったりしていたんですが、反省のしすぎが問題だったんですね。
「無意識の意識化」を意識していましたが、ツキを得るためには無意識を活発にすることが大切だと分かりました。
ユーモアと無意識を活発にすることを大切にしていきます。
今回の話題と全く関係ないのですが、アドバイスを頂きたくコメントさせていただきます。
それは、アイデアに関してでして、私は仕事柄アイデアを沢山生み出さないといけないのですがなかな思いつきません。(苦笑)
おそらくアイデアは脳の前頭葉で生まれると思うのですが、そこに意識を集中したり色々ネットで調べて自分なりに試行錯誤しているのですが思いつきません(笑) もしかして単に思考時間が短いだけかもしれませんし、自分にアイデアを生み出す才能がないだけかもしれません。
今お忙しい時期だと思うので申し訳ないのですが、アドバイスが頂けたら有難いです。m(__)m
自分の希望や目標に期限をつけるのがいい、と聞いたことがありましたが、そうではないのですね。
期限は天にゆだねて達成するまで諦めないで信じ続ける…ですか?
仕事を充実させながら、幸せに笑って生きて行きたいのではありますが。
今回の楽観主義のお話し、私には理解できなかったのですが…
生き残ってやるというガッツが必要で、生き残る為にはユーモアを取り入れて楽しんで、どこか客観的な冷めた見方ができることが必要だということなのでしょうか。
共感して貰えれば有り難いですね>ブルーメリッサさん
それしか無いと思います>ナナ氏さん
生き残る者は、苦痛の中でも神の愛や世界の美を信じられる者であったのは事実ですが、その為には自己鍛錬が必要です>ごまあざらしさん
目標達成に為には、期限が重要です。
しかし、人生の勝者になるには、楽天的でなくてはいけません>janeさん
主体的であること。
どんな決断も主体的であることが大事です。
そして怒り・貪り・愚痴の心をキャンセルすることです>Pinokoさん
うーむ
そうじゃなくて、
悪い環境に自ら飛び込んで勝ってやる!という意気込みのことです>咲子さん
ところで、末期癌から奇跡的に助かった芸能人の小西さんも、闘病しながら、「奇跡を起こして、徹子の部屋に主演するんだ」とイメージしていたそうです。
生き残りの法則は、病気に有効です。